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物書きを目指して

小説家を目指しています。ノープランから長編ミステリ小説を書き上げる経過をつづるブログです。

最初に何を決めるか

小説を書くぞと意気込んでみたのはいいものの、何を書けばいいのか、ほとんど何も決まっていません。こういう人は珍しいのかもしれませんが、逆にいうとなんでも書けるような気もしています。

 

ただ、ひとつだけ決めているのはミステリーを書こうということ。いちばん読んでいるジャンルでもあるし、わたしが一番「どんなものが面白いと思うか」をはっきり自分の中に基準を持つことができるジャンルだと思います。思い入れもあるし、好きな作品もたくさんあります。

 

いままでにわたしは、小説家になる方法、といった創作論や執筆指南の類の書籍を結構読んできました。しかし残念ながら、ミステリーの書き方についてあれこれを教えてくれるような書籍には実はほとんど出会えませんでした。主人公の成長譚であったり、ファンタジーやライトノベルの類を書く方法は様々なものがありましたが、ミステリーの、特に謎の作り方について教えてくれるものにはほとんど出会えなかったのです。

 

ただ、ミステリーをつくる方法というのはちゃんと存在するとわたしは思っています。

ミステリーには様々な形式があります。叙述トリックであったり物理トリックであったり、ハウダニットであったりフーダニットであったり、形式が複数存在するために、創作論は確立されていないかもしれません。しかし、ひとつひとつの作品にはちゃんと「どこから何を決めて物語を作るか」という手段が存在するはずなのです。

 

そこでわたしがこれからミステリーを書く上で、最初によりどころにしようと決めたのは、宮部みゆきさんがどこかで言っていた言葉でした。おそらく言葉も正確ではないし、出典が思い出せなくて恐縮なのですが、宮部さんがこんなことを言っていました。

 

「普通の人は謎になんて挑まない」。

 

殺人事件やあるいはそのほかに謎があったとしても、普通の一般人は謎になんて挑まないのです。殺人事件が起きれば当然警察を呼ぶし、刑事に任せます。警察や探偵が謎解きの主人公に据えられやすいのは、謎に挑む理由が職業上明確になるからです。

わたしは今回、警察や探偵を主人公にしたいと思っていません。その類の小説はこれまでにたくさん読んで来たし、いまでも面白いものは多くあると思うけれども、できればわたしは、普通の人が主人公にしっかり感情移入して、面白いと感じていただけるものを書きたい。そう考えると、刑事や探偵というのは、決して誰もが共感しやすい立場ではありません。

 

だから「どんな人が、どんな理由、どんな感情で謎を追うのか」というポイントを最初に決めることにしました。

 

宮部みゆきさんの「ソロモンの偽証」では、「学生が、自分の学校で起きた事件を大人たちの手ではなく自分たちの手で結論を見つけなくてはいけないと考えて、模擬裁判を行う」ことになりました。「誰か Somebody」では「社内報をつくる部署で働く婿が、義父に頼まれて、伝記をかきたいという女性の手伝いで調査をはじめる」という流れです。

 

いずれも普通に暮らす人たちが、なんらかの理由で謎解きに挑戦するストーリーですが、わたしはこうした物語のつくりかたを参考に書き始めたいなと思います。`