小説家になりたい
昔から小説家になりたいなと思っていました。
思っているだけで実行に移せずにいました。
いまも何を書いたらいいのかもわからないのに、それでも小説家になりたい。
実はこのあいだ、人生で三度目の作品を書きあげました。
ほんとうは何度も何度もいろんな作品を書こうとしているのですが、
最後まで書きあげたものは今までにそのたった三作です。
最初の一つは中学生の頃に書いたもの。
何が降りてきたのか自分でも驚くくらいに集中し、ほぼ一晩のうちに、徹夜で書きあげたものがそれでした。短編で、当時作っていたウェブサイトにアップロードしました。下手くそだったに違いないのですが、中学生の書いたものですから、見に来てくれた人は甘い言葉でほめてくれました。
二つ目は大学生の頃に書いたもの。
大学の授業で小説の授業を選択し、課題があったので、提出したものです。
このふたつ、今ではデータも残っていません。
ふたつのほかにも、ほんとうは今までに何度もいろいろなものを書きました。でも、すべて最終的に放り投げてしまって、わたしは今年三十歳を迎えます。普通の社会人になって、小説とは無縁のまま、ただ、どこへ向かうのか分からない日々を過ごしています。
そして昨年、そんなうだつの上がらない日々を過ごしていたわたしに、古くからの付きあいである友人が声をかけてきました。同人誌をつくるから、そこに小説を書かないか、と。
うれしくて二つ返事で引き受けてしまったら、あっという間に締め切りが近づいてきて、ものすごく慌てながら書きました。ただ実は、それまで、わたし、信じていなかったんです。二作しかこれまでに書けなかった。才能などないと思い込んでいました。わたしに小説を書くことができるなんて、もう無理なんじゃないかと思っていたんです。
でも、書けたんです。
締切があって、人が読んでくれるとわかっていた。ただそれだけで、わたし、小説を書くことができました。25000字ほどの中編です。
先日それが同人誌という本になって、わたしの手元にも送られてきました。
感動でした。本になっている。わたしの小説が、人様に読んでいただける、本になっている。あまりにうれしくて、受け取った翌日は会社にいくかばんの中にも入れて、通勤の電車の中で、なんどもパラパラとめくり、読みました。
さらに嬉しかったのは、面白かったことです。
自分でいうのもなんですが、わたしはそれを読んで、あ、悪くない、と思ったのです。だめなところもあるけれども、失敗したところもあるけれども、ちゃんと読める。ちゃんと読んで面白いぞと。
読んでくださった方から、感想も頂けました。身に余るほどほめていただいて、ほんとうに書いてよかったと思えました。
やっぱりもう一度小説を書いてみよう、と思いました。
25000字書くことができて、すこし自信になったんです。
だって、これの4倍書けば、10万字、長編の分量になる。
それくらいなら全然書けちゃう気がするんです。
こんどは、長編を書こうと思います。
ちゃんと、出版社に送るためのものを書いてみようと思いました。
実はほとんどまだ何も決まっていません。
ブログを書くことにしたのは、そうすることで少しでも書くことができるようになるんじゃないかと思ったからです。
たぶん、わたし、誰かの目があるとわかっていないと書けない気がする。
このブログを誰が読むかはわからないんですが、誰かに見られていると思いながら、小説をつくりあげていくことにします。
あと、これはちょっと思い切った作戦なのですが、設定とか、人物とか、どんな物語にするのか、そういうのも結構ここに書いてみようと思っています。
素人の小説の設定なんか、誰も読みたいと思わないでしょう?
ネタがパクられる?なんて心配必要ないかなって。
だからたぶん、書いても大丈夫なんじゃないかな。と思うのです。
今日からはじめるわたしのブログはそういうブログです。
誰も興味ないかもしれません。
でも、誰かに見られてるかも。って思いながら、書くことにします。
わたし、小説家になりたいです。